「目がゴロゴロする」「なんだか赤くなってる…」そんな時、あなたは「はやり目」と「ものもらい」、どちらか迷ったことはありませんか?実は、この二つは原因も症状も違う、まったく別の目の病気なんです。はやり目とものもらいの違いを正しく理解することは、適切な治療を受けるためにとても大切です。
はやり目とものもらい、何が違うの?
まず、一番大きな違いは「原因」です。はやり目は、ウイルスや細菌が原因で、目全体に炎症が起こる病気です。特に、アデノウイルスというウイルスが原因の「流行性角結膜炎」は、感染力がとても強く、学校や職場で流行しやすいことから「はやり目」と呼ばれています。一方、ものもらいは、まぶたの縁にある腺に細菌が感染して起こる「ばい菌」が原因の病気です。つまり、はやり目は「感染症」、ものもらいは「できもの」と考えると分かりやすいでしょう。
症状にも違いがあります。はやり目の場合、両方の目に症状が出ることが多く、目やにがたくさん出たり、目が充血したり、ゴロゴロしたり、光をまぶしく感じたりします。ひどいと、角膜に白い濁りができて視力が低下することもあります。ものもらいは、まぶたの一部が腫れて、赤く痛みが出るのが特徴です。触ると硬いしこりを感じることもあります。症状が片方の目に限定されることが多いのも、はやり目との違いと言えます。
治療法も、原因が違うため異なります。はやり目の場合、原因となるウイルスや細菌を抑えるための点眼薬などが処方されます。安静にして、目を休ませることが重要です。ものもらいの場合は、細菌感染を抑えるための抗生物質の点眼薬や内服薬が使われることがあります。症状がひどい場合は、切開して膿を出す処置が必要になることもあります。 正しい診断と治療を受けることが、早く良くなるための鍵となります。
| 病名 | 主な原因 | 主な症状 | 感染力 |
|---|---|---|---|
| はやり目 | ウイルス・細菌 | 両目充血、目やに、ゴロゴロ感、まぶしさ | 非常に強い |
| ものもらい | 細菌 | 片目まぶたの腫れ・痛み、しこり | 低い |
はやり目の種類と特徴
はやり目と一口に言っても、その種類はいくつかあります。最も一般的なのは、先ほども触れたアデノウイルスによる「流行性角結膜炎」です。このタイプは、潜伏期間が短く、感染力が非常に強いため、集団感染を引き起こしやすいのが特徴です。学校やプールなどで広がりやすいので注意が必要です。
その他にも、エンテロウイルスによる「咽頭結膜熱(プール熱)」や、ヘルペスウイルスによる「角膜ヘルペス」などがあります。プール熱は、のどの痛みや発熱を伴うこともあり、はやり目よりも全身症状が強い傾向があります。角膜ヘルペスは、再発しやすいのが厄介な点で、角膜に傷ができやすく、視力に影響が出ることがあります。
はやり目の初期症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 目がゴロゴロする、異物感がある
- 目が充血する(白目の部分が赤くなる)
- 目やにがたくさん出る
- まぶしさを強く感じる
これらの症状が見られたら、早めに眼科を受診することが大切です。自己判断で市販の目薬を使ったり、目をこすったりすると、症状が悪化したり、周りの人に感染を広げたりする可能性があります。
ものもらいのメカニズムと種類
ものもらいは、まぶたのすぐ外側や内側にあるマイボーム腺や汗腺に細菌が感染して炎症を起こす病気です。この細菌感染によって、まぶたが腫れたり、痛みを伴ったりするのです。
ものもらいには、大きく分けて二つのタイプがあります。
- 外麦粒腫(がいばくりゅうしゅ): まぶたの縁にあるまつ毛の毛穴や、その近くにある腺に細菌が感染して起こるものです。いわゆる「おでき」のような状態で、赤く腫れて痛みを伴います。
- 内麦粒腫(ないばくりゅうしゅ): まぶたの内側にあるマイボーム腺に細菌が感染して起こるものです。外麦粒腫よりも深い部分で炎症が起こり、まぶたの裏側が腫れることが多いです。
さらに、ものもらいと似た症状で、「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」というものもあります。これは、マイボーム腺の出口が詰まって、分泌物が溜まり、炎症を起こすものです。細菌感染が原因ではないため、痛みがないことも多いのですが、まぶたに硬いしこりができます。炎症を伴うと痛むこともあります。
ものもらいができたときに、やってはいけないことがあります。
- 患部を触る、つぶす
- コンタクトレンズの使用
- アイメイク
これらは、症状を悪化させたり、感染を広げたりする原因になるので避けましょう。
見分け方のポイント:症状の違いに注目
はやり目とものもらいを区別する上で、最も分かりやすいのは「症状の出方」です。まず、症状が両方の目に現れるか、片方の目に現れるかを見てみましょう。はやり目は両目に症状が出やすいのに対し、ものもらいは片方のまぶたに限定されることが多いです。
次に、「目やに」の量も重要な手がかりになります。はやり目では、ウイルスや細菌によって炎症が起きているため、透明または白色のサラサラした目やにがたくさん出ることがあります。一方、ものもらいの場合は、細菌感染が原因で膿(うみ)が出ることがありますが、はやり目ほど大量の目やには出にくい傾向があります。ただし、ものもらいが二次的に細菌感染を起こして、目やにが増えることもあります。
また、「かゆみ」の有無も、判断材料の一つになります。はやり目の場合、特にアデノウイルスによるものは、強いかゆみを伴うことがあります。ものもらいは、かゆみよりも「痛み」や「腫れ」が主な症状です。
これらの症状を比較してみましょう。
| 症状 | はやり目 | ものもらい |
|---|---|---|
| 目の充血 | 両目に出やすい | 片目に出やすい |
| 目やに | 量が多い、サラサラ | 膿が出ることがある、量は比較的少ない |
| かゆみ | 強い場合がある | 少ない(痛みや腫れが主) |
| まぶたの腫れ | あまり目立たない場合が多い | はっきり腫れる |
合併症の可能性:注意すべきこと
どちらの病気も、放置したり、不適切な処置をしたりすると、合併症を引き起こす可能性があります。はやり目の場合、角膜に炎症が広がり、角膜炎になることがあります。角膜炎が重症化すると、視力が低下したり、後遺症が残ったりする可能性もあるため、注意が必要です。
また、はやり目は感染力が非常に強いため、家族や周りの人にうつさないように、手洗いやタオルの共有を避けるなどの感染対策を徹底することが重要です。特に、学校や保育園に通っているお子さんがいる場合は、医師の指示があるまで休ませるなどの配慮が必要になります。
ものもらいの場合も、炎症がまぶたの奥深くに広がって、眼瞼炎(がんけんえん)や眼窩(がんか)蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった、より重い感染症に進行する可能性があります。これらの合併症は、強い痛みや高熱を伴うこともあり、注意が必要です。化膿が進んだ場合は、手術が必要になることもあります。
合併症を防ぐためのポイントは以下の通りです。
- 自己判断で治療しない
- 症状が改善しない、悪化する場合はすぐに受診する
- 医師の指示通りに薬を使用する
- 感染対策をしっかり行う(はやり目の場合)
受診のタイミングと眼科での対応
「なんだか目に違和感があるな」と感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。特に、以下のような症状がある場合は、迷わず眼科へ行きましょう。
- 急に目が赤くなった
- 目やにがたくさん出るようになった
- まぶたが腫れて痛む
- 視界がぼやける、見えにくい
- 光をまぶしく感じる
眼科では、まず問診で症状や経過を聞き、目の状態を詳しく診察します。必要に応じて、目やにの検査や、角膜の状態を調べる検査などが行われます。これらの検査結果に基づいて、はやり目なのか、ものもらいなのか、あるいは別の病気なのかを正確に診断し、適切な治療方針を決定します。
はやり目と診断された場合は、原因となっているウイルスや細菌に効果のある点眼薬が処方されます。また、感染拡大を防ぐための注意点なども詳しく説明されます。ものもらいの場合は、細菌感染を抑えるための点眼薬や内服薬が処方されることが多いです。炎症が強い場合や、膿が溜まっている場合は、切開して膿を出す処置が行われることもあります。
予防策:日頃からできること
はやり目もものもらいも、日頃のケアで予防できることがあります。まず、最も基本的なことですが、「手洗いをしっかり行う」ことです。特に、外出先から帰った時や、食事の前には、石鹸を使って丁寧に手を洗いましょう。目やにや涙にはウイルスや細菌が含まれていることがあるため、目を触る前には必ず手を清潔にすることが大切です。
次に、「目をこすらない」習慣をつけましょう。無意識に目をこすってしまうと、手に付着した細菌やウイルスが目に付着して感染の原因になったり、炎症を悪化させたりすることがあります。かゆみを感じる場合は、冷たいタオルで冷やしたり、医師に相談してかゆみを抑える目薬を使ったりするなど、正しい対処法をとりましょう。
また、コンタクトレンズを使用している方は、レンズのケアを怠らないことが重要です。レンズケースを清潔に保ち、指定された保存液を使用するなど、正しい方法でレンズを管理することで、感染リスクを減らすことができます。メイク用品の共有も避け、清潔に保つようにしましょう。
これらの予防策を日常生活に取り入れることで、目のかかりやすい病気を防ぐことができます。
「はやり目」と「ものもらい」は、似ているようで全く違う病気です。それぞれの原因や症状を理解し、おかしいなと思ったら早めに眼科を受診することが、目の健康を守るために大切です。正しい知識を持って、大切な目を健やかに保ちましょう。